細見美術館にて、志村ふくみさん・志村洋子さん母娘の展覧会が開催中です(5/6まで)。
染色・織にとどまらず、その随筆の素晴らしさでも知られるところの志村ふくみさんと言えば、もう説明もいらないかと思いますが、紬織における重要無形文化財保持者(人間国宝)です。
洋子さんは御存知お嬢さん。母娘作歴30年の記念すべき展観とのことでした。
自然より、染めの材料となる草木をいただき、糸を染め、織る。
人間の思い通りとはゆかない自然とともにある日々。日本の信仰の根底にあるものを彼女の仕事や文章に観る事ができる気がして、昔から事あるごとにページをめくっては、語られている事全てにハッとしつつ、ドキドキしながら読んだものです。
いまだに、琵琶湖岸で夕焼けを眺めると、「志村先生がこの色を着物に写されたのだなぁ……」と毎度同じ事を思い出します。
今回の展観で、ひときわ惹かれてやまない着物がありましたが、それは志村ふくみさんのお母様の作品でした。志村先生の原点をそこに観たように思いました。
今後、後進を育てるべく新たな事にも挑戦してゆかれる模様。楽しみです。