季刊『禅文化』228号が発行されました。
今号は「大本山建長寺」の大特集となっております。
今年は、大本山建長寺開基・北条時頼公の七百五十年諱に正当し、明年には開山・蘭渓道隆禅師の生誕八百年を迎えます。
そんなわけで、日本禅の発祥地と言われる鎌倉の大本山・建長寺に焦点を当て、特集を組ませていただきました。
大特集巻頭では、建長寺派管長・吉田正道(栢樹庵)老師のお話を掲載させていただきました。「寺は敷居を高くしてはいけない」というお考えのもとに、より開かれた寺をめざして、全山挙げて取り組んでおられるご様子などお伺いしました。また祖師方への深い思いも語ってくださいました。「開山様に感謝しなくてはならんですな。あれだけ厳しい人がいらして、今日我々児孫はこんないいかげんなことをして暮らしておるのですから、今なんとかやれておるのは祖師の余徳です。私らの師匠の益州老師も辛抱辛抱で来た人ですから、私らはそのおかげなんです。自分がついた師匠というのもまさしく祖師なんです」。
また、宗務総長の高井正俊師は、28年携わられた宗務行政の立場から「建長寺(派)の現況」「種々の改革」「教化・布教活動」「開かれた寺づくり」について具体的にお書きいただき、派を超えて、諸宗教とも手を取り合って禅の布教を目指しておられる活動についてもお伝えいただきました。
内容は以下のとおりです。特集以外にも興味深い記事が満載ですので、どうぞお手にとってごらんいただきますようお願いいたします。
特集 大本山建長寺 開基・北条時頼公七百五十年諱記念
より開かれた寺に 吉田正道(栢樹庵)老師に聴く
アジアのなかの建長寺/榎本 渉
蘭渓道隆の来日と永平寺道元/佐藤 秀孝
北条時頼と蘭渓道隆/高橋慎一朗
建長寺で出版された禅の書物/高橋 秀榮
蘭渓道隆と建長寺の清規/舘 隆志
グラビア 大本山建長寺宝物(解説 浅見龍介/高橋真作)
蘭渓道隆墨蹟「法語・規則」(建長寺蔵)/丸山 猶計
建長寺開山・蘭溪道隆和尚ゆかりの寺院について/鈴木 佐
建長寺と地蔵・観音信仰/三浦 浩樹蜀を想う/彭丹
大香合献納-鎌倉彫 三橋鎌嶺-/川辺 紀子
建長寺と私/高井 正俊ひとくち法話 無常について/横田 南嶺
和尚さんの身体講座 (三十八)/樺島 勝徳
睡猫庵歌話 (一)―窪田空穂の参禅と短歌―/大下 一真
禅における心身について (一)/佐々木奘堂
「倭椹」を求む/山﨑 紹耕
寺庭さんのリレー・エッセイ-四季を楽しむ茶室 東慶寺の寒雲亭/井上米輝子
平成見聞録 (四)/松山 大耕
長岡禅塾物語 (七)柴庵閑話/北野 大雲
表紙解説/浅見 龍介 等
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