鈴木大拙館 -金沢市-

 

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私の中では、兼六園よりも、21世紀美術館よりも、ここ最近では“金沢”といえば、“鈴木大拙館”に訪れるのが一番の楽しみとなりました。

前回訪れたのは、雪のお正月でしたので、今回の新緑の頃もまた新鮮なこと。時間を気にしない旅であれば、いつまででも思索空間に坐っていたくなるような……。

展示品に、(時にうるさく感じるような)解説が無い事も、お気に入りの理由の一つです。感じる前に、誰かによって書かれた感想や意味を頭に入れてしまえば、そのように見てしまう(あるいは、そのようにしか見えなくなる)わけで……。
解説が無いのを不親切と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、これは本当の意味で、非常に親切な事だと私は思っています。

130524-2.jpg裏庭からのプロムナードをゆけば、松風閣庭園が。そしてお隣の敷地へゆけば、そこは中村記念美術館。こちらにもお邪魔しましたが、立派な茶室があり、翌日の茶会の準備をされていました。

兼六園でも立派な茶室にて釜がかかり、大勢のお茶人さんがお見えでしたが、今回の旅では、お茶(茶道)がとても身近にある印象を受けました。
百万石の城下町であった事、先人達が残したもののみに依存し、甘んずる事なく、今を生きている人々が、伝える努力を怠らない所にこそ、現在の金沢の文化度の高さを保ち続けている由縁があるのだな……と、感じ入りました。