染色・キルト作家の秦泉寺由子さんが主催する、grass house Baliでの滞在。
「竹のエナジーが全てここへ出てくるんや。
何でもそう、実際に手を浸して、自分でやってみんことには…。言葉で聴いただけでは何もわからへん」。
短い滞在で、まさか体験できるとは思ってもみなかった竹染め。青竹を煮だした染料で、白を染めるという貴重な体験をさせていただきました。
2メートルもある絹のオーガンジーを染料につけ、ひたすら優しく布を泳がせる時間。手がヒリヒリとし、ふやけてくる感覚。染料の色、かおり。
わずかな時間の体験とはいえ、できあがった布をいただくだけではわからない事を五感で感じ取ったひととき。今も私の脳裡に鮮明です。
日本に持ち帰った布は窓辺にかけられ、今、私の部屋には、清らかな竹の生命を宿した白い布を通り、柔らかな光と良い氣がもたらされています(実際、竹染めした布は、UVもほぼカットするのだとか)。
自然からいただく染料は、命の移し換え。命が宿った一枚の布と共にある日々の私の生活がまた、この布を育て、新しい歴史を刻んでゆきます。