vol.1にひきつづき、第2回目。
ウブドで訪れたお店のお話です。
何時間いても退屈しないようなお店、Threads of Life Gallery。
それもそのはずで、インドネシアの各島から集められた、天然染料のみを使い何段階もの行程を経て作られた布を主とし、際だって高い技術と用の美を兼ね備えた手づくりの物のみを取り扱っているのです。
また、伝統的な技法を用いて、少し現代風にアレンジされたような物もセンスが良く、見ごたえがあります。
色々な国を旅してきて、失敗をした事もあります。市場で売られている布は、実はその国の物ではなく中国製で、天然繊維だと言っていても化学染料であったり・・・。
情報をかき集めれば、良い物を作っている人や、店に辿り着きます。これは、諦めずに情報収集する事です。と言いながら、今回は布のマスターと一緒でしたので、何ら苦労もなくこの店にやってきたわけですが……。
こんなにもてっとりばやく、インドネシア諸島の素晴らしい手仕事をいっぺんに見られてしまう事に少し罪悪感を抱きつつも、嬉々として物色。
一つ一つの商品に、どこで作られて、どう使われているものなのか、説明書きがついていますのでご紹介。
まずはこれ。普段は色のついていないシンプルな籠を好みますが、プリミティブなこの柄と自然の色に惹かれて。なんと細かく美しい仕事でしょう。
カリマンタン(ボルネオ島)のIban族とKantuk族の人々がなんと種まきをする時の種入れなのだとか。お洒落すぎます。
ポシェットのように肩から下げられるようになっていますが、これを下げて種をまく姿、想像するだけでうっとりとしてしまいます。実際に拝見したいものです。
この黒い色などももちろん天然。なんと、ランブータンの葉っぱと泥を混ぜたものに漬け込んで染めるのだとか。自然からの恵に優るものはありませんね。これからどのように色が変化してゆくのか、楽しみです。
ちなみに、うちの家では、台所にビニール袋入れとしてぶらさがっています・・・。
お次はこちら。30cmほどの長細い入れ物。美しい網目です。これは購入する時から、台所で玉ねぎ入れにしようと思っていましたが、本来は、カライと呼ばれるもので、東ティモールの男性が色々な物を入れる小さな鞄のような役目をするようです。
corypha utanという、葉の大きなヤシの繊維を使って編んでいるらしく、一つ一つの結び目が特徴なのだとか(ありますね、結び目)。またこのヤシの繊維は、染色をする際の結び糸としても使われるそうです。おそらくは、結べばぎゅっと引き締まりやすいのでしょう(おそらく…ですが、絞り染めなどをする時に使うのでしょうか)。
そして最後に、これらの下にみえている布は、御存知ジャワバティックです。インドの布が多く、夏は暑苦しく感じる我が家に、涼しげなジャワのバティックがお目見えし、そんなところからも涼を感じられるよう楽しんでいます。
旅にでかけたら、一つはその国の手しごとの物を手に入れる事をオススメします。
時をかけて風合いもまし、自然と生活に溶け込むのと同時に、旅の思い出とも共にいられます。