少々長いタイトルではあるが、つい先頃、角川書店から発刊された、今、流行のエンディングノートの一冊である。
著者は田口誠道師。長野県にある臨済宗妙心寺派長昌寺の住職であり、行政書士でもある珍しい僧侶である。以前より、青山社から出されていた『エンディングノート 宝珠―おだやかな旅立ちのために』を執筆刊行されていたが、こんどは「禅に学ぶ」をうたっておられるとおり、禅の教えを学びながら書き込んでいけるエンディングノートである。
就職活動が「就活」と端折っていわれるように、終末に向けての活動を積極的にして、自分の人生を全うしようという「終活」という言葉ができてしまった。世の中で宗教離れが叫ばれるが、ふと自分の人生の終末を考えてしまうという人たちは多いのだろう。
生きるにしても死ぬにしても、本来、こういう考えを大切に見ていこうとするのは、宗教者の立場である。であるのに、宗教から離れて一人歩きしている「終活」がはやっている感じがする。田口師はそんななか、僧侶こそ終活の最適なカウンセラーであるべきだというお考えのもとに、各地をまわって、エンディングノートの必要性を説いておられる。
今年度の弊所のサンガセミナーにおいても、第3回目に田口師による「エンディングノート活用法」という講座を開講する(申込希望の方はこちらから)。どういったお話を伺えるのか、楽しみである。
本書は、禅文化研究所でも販売開始。檀信徒への布教施本としてどうぞ。