今年のNHKの大河ドラマは『風林火山』。そのご当地である甲斐の国にある、臨済宗の大本山向嶽寺に仕事で訪れた。
向嶽寺は山梨県甲州市(旧・塩山市)にあり、東京からだと新宿から中央線で1本でいけるのだが、京都からはなかなか交通の便が悪い。
名古屋から中央線で行く方法もあるのだが、時間的には、京都から新横浜まで新幹線で、新横浜からは在来線の横浜線で八王子まで行き、また中央線に乗り替えて特急で塩山へ。
時間としては、京都を出てから4時間、約600kmの旅である。このまえ行った韓国へ行く方が早いくらいだ。
塩山駅からは南アルプスや驚いたことに、富士山の頂上が山の合間に望むことができた。確かに地図で見ると、富士山の真北に位置するのだから、驚くことでもない。
塩山駅からは車で5分で向嶽寺に到着。
今年は向嶽寺第三世法光円融禅師(峻翁令山和尚)の六百年遠諱に正当しており、三月三日に遠諱法要が営まれる。
実はこの法要に合わせて制作された『峻翁令山和尚行録 訓注』の納品のために訪ねたのである。
初めて訪ねたのだが、梅の花がちょうど満開であったが、凜とした空気に包まれた古刹である。
そういえば、風林火山の武田信玄はもちろんのことだが、この地には「大菩薩峠」がある。
もう10年ほど前になろうか、上司の編集主幹に薦められて、あの未完の長編小説『大菩薩峠』全41巻(中里介山著)を読みきったのを思い出した。
小説では、自分のげんこつを口に入れてしまうという慢心和尚が住職をしていた、恵林寺も近いのだった。
時間があれば訪れてみたいところだったが、今回は断念。またゆっくり来てみたい。