すっかり日も暮れてから自転車で京都の町を走る時、大通りから一筋入ると、京の道は真っ暗です。
それでも、いろいろな香りが漂っていて、季節のありがたみ、歴史ある町に住む喜びを感じられます。
どこからともなく香ってくる蝋梅も、もうすっかり終わったなと思っていると、昨日はえもいわれぬ良い香りが。沈丁花です。ほんと、春ですね・・・。
家の近くにある老舗の香房からは、常に香を調合しているからか、夜通っても、沈香や時には伽羅などの香りが。香は、「聞く」(聞香)と言いますが、暗い中この香りが漂ってくるのを感じると、「聞く」という意味がわかる気がします。
お餅屋さんからは、お米をせいろで蒸す香り、お豆腐屋さんからは、あげさんを作る、大豆と焦げの香ばしい香り、仕出し屋さんからは、かつおやこんぶのお出汁の香り。
最後は食べ物の香りばかりになってしまいましたが・・・本当に、香りだけでも毎日楽しい京都です。
写真は、研究所から帰る途中のお寺密集地帯。
高い建物が無いので、お空の向こうまで見渡せて、屋根の様子が美しく気に入っています。