石窟庵(ソックラム)は、慶州市街から東に入った吐含山の中腹にある。この山は古代より神聖視されていたようで、麓にも仏国寺などの仏教寺院が建立された。
中腹といってもかなり標高は高い。自動車で駐車場まで上り、さらに歩くこと20分。上の写真のように、花崗岩でドーム状の石窟が作られ、中に花崗岩製の釈迦如来像が安置される。世界遺産にも指定された韓国が世界に誇る文化財である。
『三国遺事』の「郷伝」によれば、751年頃、景徳王時代の宰相だった金大城により造営されたという。その後儒教全盛の朝鮮王朝時代にも細々と修復されてきたらしいが、最も大規模だったのは1913~15年にかけての修復である。その時にコンクリートを使用してドームを補修したため、漏水などの問題が起こった。植民地時代に行なわれた、コンクリート使用のいい加減な修復は、百済の弥勒寺にも見られる。解放後にさらに修復され、現在のようなすがたを取ることとなった。ただ、修復前の古写真と比べると、仏像の配置が若干異なるようだ。
石窟庵の本尊は、東のかた「日本海」の方向に向けて安置されている。その先には、新羅にとって最大の脅威だった、わが日本列島が横たわっている。
この門をくぐってから、石窟庵まではだいぶ歩くのだ。
この中に、釈迦如来像が・・・。中はもちろん撮影禁止の為、皆さんにはお見せ出来ない。
お世話になったガイドさん。石窟庵内部についてを説明してもらっている所。