第11回 禅と文化の旅 ご報告 その2

昨日にひきつづき、第11回禅と文化の旅のご報告です。

131206-1.jpg相国寺塔頭・慈照院、承天閣美術館を後に、下鴨福助さんにて昼食をいただいてから、午後からは慈照寺(銀閣寺)さんにお邪魔させていただきました。

まずは、今回の旅において皆さまに実際に見て感じていただきたいと願っておりました、慈照寺花方・珠寳先生による献花です。
研究所所員の川辺が、季刊『禅文化』にて、-慈照寺の花-を取材させていただいているご縁もあり、今回有り難くもこのような運びとなりました。

献花中のお写真はご覧に入れる事ができませんが、珠寳先生と花、そして参加者の皆さんの気が一点に集中したところで、その気を感じとり、「みなさんと一緒に生けさせていただいた」と仰る先生。
凜とした静まりかえった中で、皆で花に集中させていただき、坐禅や瞑想をする時のような心地を得て、皆さまそれぞれの内に静かな感動がわきおこったように感じました。

献花の後は先生からお話をいただき、さらに質疑応答の時間をもうけさせていただきました。皆さま、質問にも先生のご回答にも非常に熱心に聞き入っておられたのが印象的でした。
(慈照寺研修道場の風信に、この日の様子が掲載されています)

ひきつづき、弊所所長・西村惠信による講演です。

131206-2.jpg-久松真一博士が唱えられた「禅美術七つの性格と、その禅的根拠」について-

という内容で、以下の事をお話してくださいました。とても興味深く面白いお話でしたので、いつか季刊『禅文化』にでもご紹介できれば・・・と考えております。

禅美術七つの性格
その禅的根拠

1)不均整 完全性を破ったもの 無法の法、無聖
2)簡素 さっぱりしたこと 純一無雑、無一物
3)枯高 さびる、侘びるに同じ 脱落、露堂々、孤危峭峻
4)自然 わざとらしさのないこと 無心、無念
5)幽玄 含蓄、余韻、奥床しさ 無底、無一物中無尽蔵
6)脱俗 仏にさえ拘わらぬ洒脱さ 独脱無依、無碍自在
7)静寂 静騒に関わらない静けさ 鳥鳴山更幽、一黙如雷

 

惠信所長の講演後は、慈照寺の特別拝観。
書院大広間の富岡鉄斎による「大江捕魚図」、本堂内の与謝蕪村・池大雅による画、弄清亭の奥田元宋画伯の画を拝見。さらには阿弥陀如来や義政公を拝ませていただき、かの東求堂も拝観。
この地に残された日本が誇るべき禅文化をじゅうぶんに堪能させていただけました。
所長は、本堂前から見る観音殿に心奪われ、写生をはじめられ・・・・・・。

131206-3.jpgご参加いただきました皆さま、慈照院様、承天閣美術館様、慈照寺・珠寳先生ならびに研修道場、拝観ご担当の皆さま、お世話になりありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

また来年も、春か秋、または両方の季節に開催させていただければと考えております。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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