百尺金鱗躍搏天、騰光照射景陽巓。
百尺の金鱗(きんりん)、躍(おど)って天を搏(う)つ、光を騰(は)せて照射す、景陽の巓(いただ)き。
先週木曜日に出題しました問題の答えです。
簡単すぎましたか?! 名古屋城大天守の金の鯱(しゃちほこ)です。
ただし、鯱だとわかっただけでは、この漢文を理解するまでには到らないのです。もう一つふみこんで考えねばなりません。
「金鱗」は、「網を透るの金鱗」などと言われて、勝れた禅僧の喩えに使われますが、ここは、名古屋城の別名である金鱗城に引っ掛けて言われたものです。
それが分からないと、名古屋の「総見寺」と「金鱗」はまったく結びつかないのです。
禅録を読むには、仏典や祖録の教養が必要ですが、禅のお坊さんたちは、時々こういう引っ掛けをして下さいますから、後の者は困ってしまいます。ヤレヤレです。
次回は、出雲に行かれた時の偈頌から出題しますのでお楽しみに!
*画像はWikipediaよりお借りしました。