火鉢を用意してお迎え

もうはや小正月ですね。
自坊では毎年、元旦の朝6時に修正会のお勤めしていたのですが、今年からは除夜の鐘を徒弟に任せ、私は除夜の鐘の鳴り響く中、午前〇時にあわせて本堂で半鐘を打ち鳴らしたあと、修正会をはじめることにしました。理趣分経(「大般若波羅蜜多経」巻第五七八第十般若理趣分)の看読をして一年の世界の平和や作物の豊作をお祈りするのです。
本堂の正面の扉を開けっ放しでしたが、今年は比較的暖かでしたので、気持ちよく唱えることができました。

元旦の朝9時になると、檀家さんはもとより他宗派でも町内のたくさんの方が、氏神さんにお参りした後、本堂で待ち受ける私の所にも新年のご挨拶にお見えになります。

新春の本堂「新年明けましておめでとうございます。旧年中はひとかたならぬお世話になりありがとうございました。本年も相変わりませずよろしくお願いします」
扇子を膝の前に置いて、こんなご挨拶をお互いに交わし、昔懐かしい火鉢に手をあぶりながら話し込んでいかれる人も少なくありません。

「火鉢なんて使わなくなりましたね。珍しいなぁ」と毎年同じ言葉を残していかれる人もいますが、うちでもこの日だけお目見えする火鉢たちです。

特製禅語カレンダーそして近年、寺名と一言を刷り込んだ禅文化研究所の禅語カレンダーを、ご挨拶にみえた皆さんにプレゼントしています。これ、楽しみなんですと言って下さる人の多いこと。制作から関わっている私としては、何物にも代えがたいお言葉です。

新年の掲示伝道は「今年の流行語には お・か・げ・さ・ま」としました。昨年の流行語「おもてなし」にあやかって書いてみました。
眼に見えないあらゆるもののご縁によって生かされている自分を感謝しなければなりませんね。

こうして今年一年もスタートしたのでした。