田中神社 -和歌山・上富田町- 

 

140130-1.jpg和歌山県にある臨済宗のご寺院が、遠諱法要に向けて寺史を刊行される為(こういった事に携わらせていただくのも、研究所の大切なお仕事の一つです)、写真撮影や宝物の調査にお邪魔していました。

140130-3.jpg昔のご住職が、近くの神社の祝詞まで作られていたのにはびっくりしました。神仏混淆の時代を色濃く感じます。その、祝詞を読んでいた神社の一つが、田中神社です。

明治の廃仏毀釈の折、隣にある神社に合祀される事が決まりましたが、神域には様々な固有の植物が生息していた事もあり、かの南方熊楠が神林を残す事を強く勧め、氏子達もその言葉を聞き入れ、今にその姿を伝えます。
かの柳田国男もその昔、「日本特有の風景」と表したとか。何を意識せずとも、ただただ、我々日本人の心の奥深くに訴えかけてくるものがあるのでした。

140130-2.jpg鳥居と共に在る立派な藤は、南方熊楠によりオカフジと命名されています