ページをめくり、ハッとしました。
今読んでいる本、『まあ坐れ』(著・小池心叟老師/直心禅会刊)にありました、小池心叟老師の坐相です・・・・・・。
修行を重ねられた老師その人の内深くからにじみ出る美しさ、静けさ、その輝きに勝るものなしです。このお姿を拝見し、懐かしい2つの事を思い出しました。
1つ目は、久松真一先生の『茶道の哲学』(講談社学術文庫)にある、先生が点前をされているお姿です。
茶道の稽古をはじめてまもない頃、兄がこの本を持ってきて「茶道をするのなら、こんなお点前ができるようになるといいね」と、見せてくれたのでした。この時もハッとしたのを覚えており、果てしない彼方にあるようなそのお姿に衝撃を受けたものです。
それ以来、この柄杓を持つ先生のお姿は私の深いところに記憶され、良きイメージを与え続けてくれています。
さらにもう1つは、以前おみかけした、とある僧堂で長く修行されている雲水さんです。
つぎはぎだらけの、藍の色も薄くなり麻そのものの色がわかるくらいになったぼろぼろの衣をお召しになられているというのに、ぼぅっと光り輝くようであまりに美しく清らかで、一瞬目を奪われ呆然としたものです。
研究所に入って間もなかった私は、「修行をされている方の中には、あのような方がいらっしゃるものなのか・・・・・・」と、これまた衝撃を受けたのでした。
日々の生活というものは、隠しようのないものとなってその人ににじみ出てくるという事ですね。その存在のみで、こちらにハッと気づかせて下さるような方々がいらっしゃる。そんな方々の輝きを感じ取れる自身でありたいと願います。
身が引き締まる思いが致しました。