「北奥耕一郎の世界」と、いつかの法話

 

140210.jpg京都を中心にご活躍中の写真家・北奥耕一郎先生の作品を拝見し、10年ほど前に聞いた法話を思い出した次第です。

「心の余裕がない人は、定点観測を始めましょう」というお話でした。通勤途中にある一本の木でも、駅のホームから見上げる空でもいい。ほんのひとときであれ、あるものをじっと観察する習慣に意味がある。毎日繰り返すうちに、今まで見逃していた小さな変化、ちょっとした美しさに気づけるようになってくると、それがやがて心の余裕にも繋がっていくのです――。

日差しの変化、雲の表情、葉っぱに落ちた露の動き……。禅刹の四季を追った写真を眺めながら、法話とともに、いつも穏やかな先生のお顔も浮かびました。