静寂

 

140311-1.jpg何ヶ月かに一度だけでも、大自然の中に身を置きたいと思っています。
以前訪れました長野の友人宅に、雪の中の静寂を求めてお邪魔してきました。

2~3キロ先までは人が住んでいない山の中。友人たちと自分の気配、あとはログハウスの餌場にやってくる小さな鳥のみが動きを感じる存在。雪の下にまだ眠っている植物たち、木々も全て葉を落とし、春の芽吹きまで静かに力を蓄えているよう。

140311-2.jpg帰り、山をおりる際に明らかに感じた境界線。人々の気配が急に自分の感覚に飛び込んでくる境界線を感じたのでした。短い滞在でも、深い静寂に包まれた中で過ごすと、人間も自然の一部であるのですから、本来の敏感な感覚を取り戻せるのですね。
天台宗の千日回峰行やその他の行法においても、大自然の中に身を置き、感覚を研ぎ澄ませるのが、如何に色々な物事に気づく為に有効であるのか、少しわかったような気がしました。

この山の中の静寂のイメージを心の奥底に持ち続け、次の大自然とのふれ合いまで、敏感になれた感覚を失わないようにしていたいものです。

本日で、震災より3年の月日が流れました。我々が、自分のくらしや生き方をどうしてゆくのか、どのようにバランスを取るのか、大自然の中で新たにみつめ直す機会をもらえました。
臨済宗黄檗宗の各派寺院においても、本日は追悼の法要が行なわれ、犠牲者の方々の供養と、大自然を汚してしまった事への懺悔、いまだ続く被災地の方々の苦しみが少しでも軽減されるよう、祈りが捧げられています。

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