韓国 -慶州 窯元 皇南パン-

青磁工房

ここ慶州には、古墳やお寺の他に、窯元も多く点在している。
前回私が個人的に訪れた時にお邪魔した窯元では、穴窯のような窯で、素焼きに近い物が作られていたが、今回は青磁の窯元へ。
窯元の女将さんが、美大卒の人しかおらず、一つ一つ手作りだと工房内を案内してくれた。
うちのは質がいいから、貫入(青磁によく見られる、細かいひびのような模様)が非常に細かく、窯を焚くにも松しか使わないので、色艷がいいのだと・・・。
ただ同じ作品を同じ工程で作り続けているわけで、作家の個性が見られるような青磁ではなく、あくまでお土産物のように感じた。

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女将さん自慢の登り窯。確かに立派!
窯の隣には松の木がたくさん置いてある。

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最後に、こちらで作られた物が売っている店へ。
お土産物の青磁の他に、店の端の方に埃を被って置かれている少し古い作品が・・・。
なかなか良い物があり、白い粉引の小さな壷?か甕?のような物など、日本で蓋と箱を作れば、いかにもわびた感じの、良い水指になりそうだ。
他にも、少し古い、珠光青磁のような色をたたえた茶碗などもある。
この辺りに置いて有る物は、ほとんど値札がついていないので、女将さんに聞いてみると、「ここのは売れなくてもいいやつ。先代のものだし飾って有るの。でも買うとすれば高いからあなたみたいな若い子は買えないよ。十万以上する。あなたお茶やってるの?こういうのは日本人の年寄りが買うものだ。あなたあっち買いなさい」と、青磁を進めてくる・・・。なんとも強引。
次に慶州に来る事があるならば、窯元を集中的にまわるのも、また一興かな。

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最後にやはり食い気の話。
食べてみたかった慶州名物、皇南パンの店へ。
このお店は三代続くらしく、その前にもあんこ餅?のようなお菓子を作るお家だったそうな。
薄い皮はこんがりと焼けていて、中には韓国産100%のあんこが。できたてはほんのり温かく、甘さも控えめで美味しかった。これだけの人数で、この1種類だけのお菓子を朝から晩まで作り続けているのだ。これがこんなに売れるなら、違う商品も!とならないところが、慶州の寺が多い歴史ある田舎町で店を続けるご主人の心意気か?! 慶州へ行かれた方は是非。