お家元の畳

 

140402.jpg不審花開今日春

表千家不審庵のホームページに、数寄屋畳師の高室節生氏の、 「畳とお茶の文化」が掲載されています。
この畳こそ、私に「このような畳を作る職人さんがいる京都というところは、とんでもない所だな、、、通うのみではわからない、住まなくては・・・」と思わせてくれた畳なのです。

表千家のお茶を稽古する者には、25歳までという若く柔軟なうちに家元のほんものの空気を味わうべく、家元近くのお寺に泊まり込み、一週間家元に通う機会が与えられます。そのときの驚きや感動は今も脳裏に鮮明に焼きついていますが、私が一番心打たれたのは、“お家元の畳”なのでした。

一枚の板を敷いたかのように引き締まった畳は、ほぼ一日中正座する身にはこたえるものの、明らかに自身が知っていた畳とは違い、「畳によってこれほどまでに空間は変わるものか・・・」と思ったものです。
われわれを非日常へといざなうにふさわしく、茶室の空気までをもさらに凛としたものに変えてしまいます。こちらの気持ちまで引き締めてくれた事を、懐かしく思い出します。

 

そして、京都のほんものの職人の仕事というものに打ちのめされた私は、憧れの京都住まいを実現するべく動き出したのです。ひいては禅文化研究所で働くに至ったのも、この畳のおかげといえましょう。
人一人の人生をも変えるほどの仕事に、尊敬の念を抱いてやみません。
是非ご一読を!