花園大学歴史博物館におきまして、弊所の創立50周年を記念した特別展(6月7日まで)を開催中です。これに関連した催しとして、さる4月16日(水)、所長・西村惠信による記念講演と展覧会担当者によるギャラリートークが行なわれました。
演題は「禅文化の本質と、観賞の視点について」。禅の文化が持つ特殊な性格や、禅の作品を観賞する際に求められる視点などが約90分に亘って述べられ、続くギャラリートークと共に大盛況でした。
本日は、これから展覧会をご覧いただく皆さまのために、講演のポイントを記させていただきますね。展覧会以外の場所でも、禅の作品に出会うことがあったらぜひ思い出してみてください。
1.禅の修行の目的は“己事究明”。したがって作品も、作者自身の直接表現である(たとえば梅の絵であれば、作者は「梅を描いた自分自身」を描いている)
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2.そういう作品を観賞する際は、観賞者も作者と同じ心境であることが必要(つまり、観賞者も自己自身と直接していることが求められる)。
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3.そのことによって、観賞者が作者と直接することになる
いかがでしょうか。実はとっても難しいことですけれど(少なくとも私は一生かかっても無理かもしれません……)、心構えだけでも!
※次回記念講演とギャラリートークは5月14日(水)を予定しています。
■2014年5月14日(水)13:00~14:30 花園大学講堂にて
「墨蹟への憧れ~書作家の立場からの私的鑑賞~」
尾西正成氏(京都橘大学助教・日展会友)