山の神仏-吉野・熊野・高野 -大阪市立美術館-

 

140602.jpg

終わってしまった展覧会で申し訳ないのですが・・・また奈良や和歌山を訪れる方のご参考までに、大阪市立美術館にて開催されていました、「山の神仏-吉野・熊野・高野」を訪れましたのでご報告です。
大自然そのものが神であり仏である事を教えてくれるような地、吉野・熊野・高野におはします神仏が、美術館に集合!
近頃ことに関心を寄せ、参拝したり、これから参拝してみたいと思っている寺社の神様仏様に拝する事が叶いました。

先日参拝して参りました熊野速玉大社の熊野速玉大神坐像など、もう言葉になりません。普段は秘められた神様が、我々の前におでましいただく事すら恐れ多く、もったいなく思えるのでした。自身が拝観に足を運びながらおかしな事を言いますが、多くの人の前にさらけ出されるべきものではないのだな・・・という事を学ばせていただきました。まぁそんなことくらいで穢れる事もないほどに大きなお力をお持ちの坐像でしたが・・・。

土着の信仰や日本古来の神々、元はインド、そして朝鮮や中国から渡ってきた仏教の考えや仏様など、さまざまなものが混淆した信仰に、改めて日本人のおおらかさを感じました。
明治以降、様々な事柄を分離し、はっきりと区別をつける傾向にありますが、境界を設けない、曖昧さもよしとする日本古来の考え方、物事のとらえ方は、今こそ新たに注目されるべき点であるな・・・とことさらに感じた展観なのでした。
今なお神仏混淆の時代を色濃く残す地、吉野・熊野・高野へは、死ぬまでに何度でも足を運び、日本人である自分というものを考えてゆきたいと思います。

*個人的には、関心を持っている様々な役行者像、狩場明神の画が拝見できた事が嬉しかったです。