『燃えよ剣』 司馬遼太郎

 

140612-1.jpg新選組の副長・土方歳三の生涯を描いたこの小説、もう何回読み返したかわからないくらい大好きです。

あまりに詳細な描写に史実と創作を混同してしまうファンが続出し、懸念される歴史学者も多いと聞きますがそれはさておき。

「勝てば官軍」。

歴史は勝者が作るものとはいえ、この幕末に限らず、流れに飲まれ、一夜明ければ「賊」となってしまった人々の思いやいかばかりか。

ですが、これはあくまで一方からの視点ですね。新政府の目線で見れば旧幕府軍はやはり許されざる造反者です。

世の中は諸行無常の繰り返し。善悪も、物事の価値も、見る角度や時代によって割と簡単に変わってしまう。

初読時はただワクワク夢中になりましたが、今は、物事を俯瞰で見られる人間になりたいなと再読の度に思います。

140612-2.jpgちなみに、新選組の前身「壬生浪士組」の本陣が置かれた新徳禅寺は、臨済宗永源寺派のお寺(京都市中京区壬生)です。