観音懺法 -相国寺-

140618-1.jpg生きていればどうしても犯してしまう罪を悔い改める為、懺悔の力によって仏の心を取り戻そうとするのが、懺法(せんぽう)という儀式なのだそうです(詳しい説明は相国寺のHPをご覧ください)。
毎年6月の17日に大本山相国寺にて執り行われる観音懺法に、初めてお邪魔して参りました。

相国寺の観音懺法は、鎌倉時代の渡来僧、仁恭石梁(せきりょうにんきょう)と清拙正澄(せいせつしょうちょう)、そして夢窓国師の三大老の協作とされる儀礼ということで、中国宋代の禅の儀礼の様式を色濃く反映しているわけです。お茶をされる方はよくご存知の四頭茶会もしかり、美しく調えられたしつらえや僧侶の所作に、日本文化や日本の様式美が受けた影響は計り知れないものがあるな・・・・・・などと思いつつ、絶え間なく続く相国寺特有の梵唄(ぼんばい・声明のこと)に身心をゆだね、自らを省みる時間をいただく事ができました。

140618-2.jpg観音様に罪穢れを発露悔過するという儀式では、やはり東大寺のお水取り(十一面悔過)が全国的に有名ですが、禅宗にもあるわけであります!妙心寺さんや円覚寺さんでは、山門懺法といって、山門の上で執り行われるのだそうです。
今月末神社で行なわれる夏越の大祓では茅の輪をくぐり、半年の罪穢れを落とさせていただき、また来たる半年の無病息災を願うわけで、神仏両方にせっせとお参りする自身に、日本の信仰の面白さを見ています。

*写真撮影は許可をいただいております。