岡本太郎記念館 -東京・南青山-

 

140717-1.jpgこの界隈を訪れると、どうしてもふらふらと根津美術館に引き寄せられてしまう私ですが、今回は気になる存在であった「岡本太郎記念館」を訪れました。

140717-2.jpg岡本太郎といえば、関西人にはかの“太陽の塔”で馴染み深いわけですが、私の場合は実家にありました岡本かの子の『観音経を語る』・『仏教聖典を語る』を家人が熱心に読んでいた事から、どちらかというと「岡本かの子の息子」という目線で、なんとも興味深い親子だなと思っておりました。

140717-3.jpg元々、岡本太郎の住まい兼アトリエだったお家が、現在は記念館となっています。
「理解する」などということは飛び越えて、岡本太郎が死してなお発する波動を感ずるような世界が広がっていました。
こちらのお庭で1955年に開催された「実験茶会」の記録では、裃に身を包みお茶を点てられるお姿が。亭主が亭主なら、客も名だたる方々。即興連歌も詠まれたようで、なんとも興味深い茶会なのでした。

140717-6.jpg帰りにショップをのぞき、序文からほとばしるパッションに魅せられてしまい求めました。
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世界をこの眼で見ぬきたい。
眼にふれ、手にさわる、すべてに猛烈に働きかけ、
体当たりする。
ひろく、積極的な人間像を自分自身につかむために。
純粋な衝動である。
そんな情熱が激しく噴出するとき、それは憤りの相を呈する。
だから、私は怒る。また大いに怒らなければならないと思っているのだ。
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日本人の在り方を危惧し、警鐘を鳴らしてくださった太郎先生の著作、『美しく怒れ』  (角川oneテーマ21)の、“はじめに”より。

日本人のアイデンティティの確立、自己をみつめる為に、大いに手助けとなり得る本かと思いました。どこを読んでも美しい怒りに溢れる本。記念館と共にお勧めします。