韓国 -民俗村 守護神と御神木-

水原華城をあとにし、ソウルの南、水原市郊外の韓国民俗村を訪ねた。

韓国民俗村 正門

韓国王朝時代の生活様式を保存している広大な野外博物館のような場所である。日本で言うと、さしずめ「明治村」や「昭和村」といったところであろうか。韓国旅行に行くと決まったとき、是非行きたいと、行程に組んでもらった場所である。これから、何度かにわたって民族村を紹介していきたい。
最近の韓国では、ソウルやプサンなどの大都市、あるいは交通の要所となるような町などでは、マンション建設がラッシュのようで、一軒家をみつける事が難しい。
田舎町に行けば見られるのかもしれないが、どんどんと昔の住居はなくなってしまっていくので、その伝承保存を考えて作られたというが、これが、個人経営だと聞いて驚くばかりである。


すばらしいのは、地方や貧富の差による生活様式の違いを見てとることができるよう、それぞれの特色をきちんと保存されていること。また、民俗遊びや生活風習を実感できるつくりになっていて、広大な敷地を回遊しながら楽しむことができる。
入場してしばらく歩くと、トーテムポールのようなこんなものに出くわした。

天下大将軍 地下大将軍

「天下大将軍」と「地下大将軍」と書いてある。男女一対の木偶神像で、村の入口などに立てられ守護神としての役目を果たしているらしい。本来、チャンスンといい、「長生」とか「長性」などと書かれるものらしい。なんとなくユーモラスで親しみが持てる。
南部地方の農家の前には、こんな幡も立っていた。

農者天下之大本

「農者天下之大本」と書かれている。三国時代から農本国家を基盤としていた韓国ならではである。日本でこんな幡をあげていたら、農民はどんな処罰をうけたことであろう。
そういえば、別の所には村の御神木とされる木があり、そこには5色の布が下げられて祀られていた。布はともかく、御神木の祀り方は日本も同じようである。

御神木