平林寺の庭

 

 

140711-1.jpg野火止平林寺さんのご紹介が続きます。今回は立派なお庭です。
そもそも禅の庭は、修行僧達のものでありまして・・・。雲水さんが修行される僧堂内にありますので一般拝観はなさっていませんが、法要でいらっしゃる方達の、お庭をご覧になられる際の感嘆の声を聞きつつ、仕事をさせていただいておりました。

140711-2.jpg約千坪!の地泉回遊式庭園。江戸中期の作庭と伝えられ、県の「名勝」にも指定されているそうです。
新しく石組みがなされている箇所は、前住職の野々村玄龍老師の指示により作られたのだとか。ダイナミックな大きな流れを感じる事ができます。

140711-3.jpg度々ご住職が作庭に関わられたお庭を拝見する機会に恵まれますが、どのお庭もご住職そのもの。そして、ここが禅宗の庭の一つの大きな特徴ではないかと思えるのが、ご自身が掃除(作務)をなさる為、掃除のしやすい庭である事も大きなポイントなのだそうです。

140711-4.jpg我々一般人が書院などから眺めているのみでは何とも想像しにくいものですが、実際に庭に下りて掃除をしようものなら、その大変さはいかほどか・・・。庭が美しく保たれているその裏には、日々の手入れがある事を忘れてはならないと思いました。

140711-5.jpg以前、とある寺院にお邪魔しました時にも、「あれ、老師がいらっしゃらない・・・」と思っていると、お庭に麦わら帽子で掃除をする人が・・・。庭師かお手伝いの方かな?!と思っていると、その方が振り返られて「おはよう!」と。まさに老師なのでありました。こちらは勝手に「老師様がそんなことを?!」と思うわけでありますが、長年修行をされて来られた方や、禅僧にとっては当たり前の朝飯前でしょうか。禅僧のあるべき良きお姿を拝見させていただきました。

140711-6.jpg禅の庭をご覧になる時は、全てがそうではないかもしれませんが、雲水や僧侶達の修行の為のものである事、お庭を掃除する禅僧の姿なども想い浮かべてみると、また違った見方もできて興味深いものです。
夏椿は、散っても掃除せずに、少しの間だ眺めていたいものですね。彼らもそう思っているのでしょうか・・・・・・。

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