常照皇寺 -京北-

京都市内ではありますが、中心部からおよそ1時間ほど車を走らせた所にあります、常照皇寺(じょうしょうこうじ・臨済宗天龍寺派)を参拝してきました。

140723-1.jpg常照皇寺といえば有名なのが桜。国の天然記念物である「九重桜」、御所から株分けしたといわれる「左近の桜」、一重と八重が一枝に咲く「御車返しの桜」などの名木が揃い、桜の時期には参拝客も多いのだとか。この日参拝してきた事を近くに住む方に伝えると、「今行っても何も無かったでしょ~」と・・・・・・。

140723-2.jpg良きお寺というのは、花や錦が無かろうが良いものです。ちょうど雨上がりの空気が浄められた時に寺に着き、訪れる人もまばらで静寂な境内を心ゆくまで堪能できました。

140723-4.jpgここ常照皇寺は、光厳(こうごん)法皇によって貞治(じょうじ)元年(1362年)に開かれ、歴代天皇の帰依を得た皇室ゆかりの寺です。詫びた山中にあって、伽藍も庭も、その瀟洒なたたずまいは興味深いものでした。

140723-3.jpg天皇は周辺の自然を庭に見立て、寺の裏山を猿帰嶂、滝を白玉泉、山全体を万樹林と名付け、周囲の十勝を選ばれたという言い伝えがあるのだとか。当時からの変遷はいかばかりか想像もつきませんが、山の麓にある境内一帯の環境はおそらくは当時を彷彿させるものがあり、山と一体になった庭を見ていると、時間がたつのも感じなくなるかのよう。

140723-5.jpgこのお庭、下のように、茅葺き屋根の方丈から見る事ができます。そしてなんとご本尊の釈迦如来立像は、方丈の天井近くの鴨居上の仏壇に祀られ、我々を見守ってくださっています。

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そして、怡雲庵(いうんあん・開山堂)。
釈迦三尊に加え、来迎の阿弥陀三尊が16羅漢と共に祀られています。阿弥陀様の脇侍仏は美しい雲坐に乗り、それは美しいお顔をされていて、是非とも直に拝みたいと思っていたのが、この日叶いました。
さらに、お堂の奥には落飾後の光厳法皇の坐像が鎮座。生きてらっしゃるかのような気配をどうしても感じてしまい、言葉を失いました。

140723-8.jpg最後に、裏山の自然道へ。このような景色が広がっていましたよ。ただ、雨あがりの後は滑りますのと、身体を温める為か、まむしが!出てきていましたので、要注意でした。

常照皇寺。どの季節の参拝でもお勧めします。