あれは3歳の頃。弟が生まれるというのでしばらく祖母宅に預けられていた私ですが、朝の記憶といえば、近くの京都御苑からやって来る鳩の鳴き声と、どこからやって来るのかは謎だけど割と頻繁に聞こえてくる「ほ~ぉ」の声でした。
「ほ~~~~~~~~~ぉい」と声が伸びるのが、なんかわからへんけど面白い!
なんかわからへんけど、いっぱい声が聞こえてくるのも楽しい!!
唱和して”~~~~~”の長さを競うのがマイ・ブームでした(すみません、幼児の考えることですのでお許しを……)。人数が少ない日はガッカリです(重ねてすみません……)。
声の正体についてはほどなく祖母から教わることになるわけですが、あれから30数年が経ちました。老師がたの中には、きっとあの時の雲水さんもいらっしゃるのでしょうね。
次号『禅文化』(10/25発売)では久しぶりに「吾が師を語る」を掲載させていただくのですが、今回は東福寺派管長・遠藤楚石老師、円覚寺派管長・横田南嶺老師による
対談形式です。
「どんなお坊さまにも修行時代があったのだな」と改めて感じ、同時に自分の思い出もよみがえった次第です。
*写真・水野克比古 絵はがきセットより