10月10日(金)、禅文化研究所創立50周年記念式典 ならびに 禅文化賞授与式を開催させていただきました。
まずは鬼籍に入られている創立功労者の追悼法要を行ない、理事長・所長による挨拶の後、「第4回禅文化賞」授賞式を行なわせていただきました。禅文化賞とは、5年ごとに行い、功労賞と奨励賞の二つの賞を置きます。
この度の功労賞は方広寺派管長大井際断老師です。
大井際断老師は、大正4年、兵庫県西宮市の生まれ。昭和15年、東福僧堂に掛搭。戦役を経た後、東福寺の家永一道老師に参じて嗣法。花園大学教授を経て、昭和35年、大分・万寿僧堂師家、昭和50年、妙心寺塔頭東海庵住職、平成2年、方広寺派管長ならびに僧堂師家に就任されました。
ドイツを中心にヨーロッパ各地での布教を行なわれ、また、薪流会総裁として社会活動にも積極的に関わっておられます。100歳を迎えられ、臨黄各派で最高齢の僧堂師家として、今なお行学一如を実践されております。
さらに、奨励賞は妙心寺派地福寺住職片山秀光師です。
片山師は、昭和15年宮城県気仙沼市の生まれ。平成22年、節語り説教ユニット『カッサパ(三迦葉)』を結成、音楽を取り入れた新しい形の布教活動を開始するも、平成23年3月11日東日本大震災でご自坊を被災、現在は復興を目指しつつ被災地の語り部として活動を続けている。また、NPO法人「海べの森をつくろう会」副代表として、震災の記憶を風化させずに未来へ繋いでいくための植樹活動を中心とした故郷づくりを行なっておられます。
お二方への受賞に続き、お言葉を頂戴しました。大井老師は最後には詩吟を朗々としたお声で吟じてくださり、また、片山師のお話からは、遠く離れた地である事もあり、我々の中で風化し始めている被災地への思いを新たに致しました。
授賞式の後は、禅文化研究所の現況報告につづき、東洋大学学長の竹村牧男先生による記念講演。「禅の現代的意義について―鈴木大拙の思想に学ぶ」。私は準備などにてご講演を拝聴できなかったのですが、これからゆっくりと当日の映像を拝見させていただこうかと思います。また何らかの形で皆さまにもお届けできればと考えておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
お集まりいただきました皆さま、貴重な時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
今後とも禅文化研究所をどうぞよろしくお願い申し上げます。