大山崎山荘美術館

大山崎山荘美術館_本館

大好きなの美術館の1つ、-大山崎山荘美術館-を久々に訪れた。
私が好きになる美術館、大切な人を連れていきたくなる美術館の条件として、「元々は実業家や芸術家の邸宅であった」という事が挙げられる。
建築や庭から、住んでいた人の息づかいを感じる事が出来、さらに展示品を楽しめるからだ。
美しい物を一度にたくさん見すぎると、疲れるので良くないが、これでもかというほどの量でなく、ちょうどお腹が一杯になるくらいの展示数で、ゆっくりと楽しめる。

今回は、舩木倭帆(ふなきしずほ)氏のガラスの展示。
私の好きな布志名焼の窯元に生まれた人で、そんな人がガラスの作品を作っているという事で楽しみにしていた。


布志名焼といえば、鈴木大拙博士とも親交の深かった柳宗悦氏や、バーナード・リーチ氏とも関わり深く、彼らが指導した窯元として有名だ。
舩木氏の作った作品は、どれもこれも普段家で使えそうな物で、邸宅美術館での展示という事もあってか、「この花瓶には様々な野の花を、この花瓶には紫陽花のみをこんもりと、この皿には暑い夏に水菓子を、このピッチャーにはフルーツティーを・・・。これは向付にも使えそうな器だ!」と、想像しつつ見る事を楽しめた。
民芸の血を受け継ぐ人の作るガラスだからか。気取らない、気張らない感じが親しみを持てた。
大山崎といえば、ちょうどNHK『功名が辻』にて放映された、山崎の合戦の舞台。天王山のハイキングコースがある。この大山崎山荘美術館も小高い土地にあり、テラスからの眺めは素晴らしい。
新館は、かの安藤忠雄氏によるものだ。彼が世に広く知られるようになり、話題になっていた頃、私はコンクリートむき出しの彼の建築に嫌悪感を覚えていた。「そんなに話題になるくらいなら、一度見てやろう」という気持ちで、大山崎山荘美術館へと趣き、彼の創り出した空間に言葉を失った。ここでいくら語ろうと意味がないので、是非一度足を運んで、「見る」というよりも、あの空間を身体全体で感じて欲しいと思う。
また、JRの駅近くにある東福寺派妙喜庵には、かの有名な、唯一現存する利休の手による茶室、国宝「待庵」がある。
京都にほど近いここ大山崎で、-文化と歴史の旅-と名付けて一人歩いてみるのも悪くない。
(N.K Wrote)

庭から望む本館

テラスからの眺望