先日お知らせいたしました季刊『禅文化』の最新号が発売されました。特集は「臨済禅師・白隠禅師遠諱に向けて(後編)」です。
論文あり、エッセイあり。
昨年東京で行なわれた「禅ってなに?-遠諱記念鼎談-」(円覚寺派管長・横田南嶺老師/聖学院大学学長・姜尚中氏/花園大学教授・佐々木閑氏)の模様は、会場にお越しいただけなかった皆さまもこの機会にぜひ誌上で。
来年開催される展覧会の詳細もいち早くお伝えしております。
また、このたび初めて訓読された白隠禅師の漢文語録『荊叢毒蘂』については、新たな事実が。
なんと、白隠禅師の肉声が、書き入れによって残っていたというのです(ちなみに駿河なまり)。こちらは、訓読を担当された芳澤勝弘教授の論攷でお楽しみください。
表紙は、柔和なお顔の臨済禅師(妙心寺蔵)。臨済禅師といえば厳しい顔つきの頂相(ちんそう)が印象深いのですが、同一人物の肖像がなぜに真逆の表情なのでしょうか。こちらも、詳しくは本誌をご覧ください。
A5変形という小さな本ですが、バラエティに富む誌面になるよう編集部一同、工夫を重ねております。できればご意見や感想などお寄せいただければありがたく、宜しくお願い申し上げます。
お求めはこちらから
【もくじ】
〔ご報告〕禅文化研究所創立五〇周年 記念式典・第四回 禅文化賞授与式
特集 臨済禅師・白隠禅師遠諱に向けて〔後〕
【誌上提唱】『臨済録』上堂 葛藤からの解放/小倉宗俊
臨済禅師肖像雑考/福島恒徳
遠諱記念鼎談 禅ってなに?/横田南嶺・姜尚中・佐々木閑
白隠禅師『荊叢毒蘂』の初版本と、その書き入れについて/芳澤勝弘
ヨーロッパにおける白隠禅の萌芽/寶積玄承
特別展覧会「禅─心をかたちに─」/羽田聡
河北正定に臨済禅師の遺跡を訪ねる (二)/衣川賢次
笶髦 グラビア 恵林寺の寺宝 Ⅱ
禅の現代的意義について―鈴木大拙の思想に学ぶ/竹村牧男
部分から全体へ 寺院建築入門 (五)/佐々木日嘉里
禅宗語録入門読本23 丹霞 (下)/小川隆
三余居窓話 (余滴五)/西村惠信
善財童子の求道ものがたり (三十三)
マガダ国の菩提道場を守護する大地の女神スターヴァラー(安住)たち ―菩薩道五十三次 舞坂の宿駅―/小林圓照
文化の爛熟と禅 (上) 要説・中国禅思想史41/伊吹敦
睡猫庵歌話 (七) 病む身の愛惜 ―長塚節の生死―/大下一真
禅における心身について (七) ―ブッダ本来の言葉と禅 (二)/佐々木奘堂
和尚さんの身体講座 (四十四) 年寄りイボを「菌活」で治す/樺島 勝徳
笶鮪將・ウんのリレー・エッセイ笶磨@二代目の嫁として/醍醐千草
ラオス逍遙 後編/川辺紀子
表紙解説/福島恒徳
いっぷく拝見
編集後記《すずろごと》
『禅文化』バックナンバー
禅文化研究所の本
切り絵 田中道男