『神の詩 バガヴァット・ギーター』田中嫺玉

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翻訳のプロでも、学者でも無かった女性・田中嫺玉さんが、様々な御縁と導きにより学び続け、ついには訳す事にまでなったインドの聖典・バガヴァット・ギーター。

『神の詩 バガヴァット・ギーター』として出版され、ヨガの師匠や周りの人から「一番親しみやすい」と紹介され、読んでみました。
“バガヴァット・ギーター”といえば、戦士アルジュナに、ヴィシュヌ神の化身であるクリシュナが様々な教えを説いてゆくわけでありますが、まさに自身がアルジュナになったかのような気持ちで、クリシュナが語ることばに目から鱗なのでありました。

“真理を語る”とは、難しい言葉をならべてわざと難しくするのではなく、シンプルながらも奥深く、相手にきちんと響いてこそなのだな……と思える一冊。美しく詩的なことばが並びます。あとはもう、自分自身のとらえ方なのですね。

とはいえ、「ふむふむ」と読んでいたところで、なかなかに実行は難しく。
“自身のダルマの遂行について”が述べられているわけですが、何人かのヨガの先生方や哲学者のの解釈を聞いてみましたが、皆さんそれぞれの解釈があります。
己事究明、神(自己)と一体となる、本来の自己、ダルマの遂行、実践。色々な事が頭を廻っています。
今回一番に自身に突き刺さった箇所がありまして、そこを実践していこうと決めました。
次回読むとまた違う箇所が響いたりするのでしょう。一生の友ともしたいバイブルがみつかった気分です。

インドにお釈迦様のような方が誕生され、覚者となられた背景には、かの地の長く深い智慧の歴史があります。その背景を知るのにもうってつけの一冊ですので、心からオススメします。