衡梅院その1 -妙心寺塔頭-

京都市観光協会さんの“京の冬の旅”が始まっています。
お昼休みにふらりと妙心寺塔頭、衡梅院さんへ。なんとも贅沢です。

150209-1.jpg応仁の乱で荒廃した妙心寺を復興、中興の祖ともいうべき、雪江宗深禅師が妙心寺住持職を引退された後に、開山となり創建されたお寺です。

雪江宗深といえば、その弟子である、景川宗隆(けいせん そうりゅう)、悟渓宗頓(ごけい そうとん)、特芳禅傑(とくほう ぜんけつ)、東陽英朝(とうよう えいちょう)の四哲が有名で、それぞれ、龍泉派、東海派、霊雲派、聖沢派という派にわかれ、その教えが全国へと広がっていきました。
つまり、現在全国にある3000ヶ寺以上の妙心寺派の末寺は、全てこの四派のいずれかに属しているわけです。

150209-2.jpgそんな師匠と弟子を表現したのが、“四河一源(しかいちげん)の庭”です。
ひときわ目を引く立派な石が、雪江宗深。
そしてその周りを囲むように配置された4つの石が、4人の弟子たちです。
写真ではいまいちわかりませんが、是非参拝していただき、実物をご覧いただきたいものです。

150209-3.jpg風に木々が揺れ、雲から顔を覗かせた太陽が苔の海を輝かせ、山紫水明の中にこそ学ぶ事あり、と作られたのであろう禅の庭を感じるひととき。

修行をする者の為にあるのが禅の庭ではありますが、娑婆に生きるもこれまた修行。
生きていれば避けがたい苦しみや悲しみ、大変な事はどうしてもやってきます。

参拝者の方々の庭をみつめるひとときが、そんな事をふと忘れさせ、自分に帰る時間になる事を祈ります。

明日へとつづく