アール・デコ・ジュエリーの世界-京都国立近代美術館-

アール・デコ・ジュエリーの世界

去る4月15日まで、岡崎の京都国立近代美術館にて、「アール・デコ・ジュエリーの世界」と題して、カルティエのデザイナーとして活躍した、シャルル・ジャコーによるデザイン画や、それをもとに制作された宝飾品、同じ時代のラリック、また、現在でも宝石商として名をはせているブシュロンなどのものも来ていた。
アール・デコといえば、だいたい1920年代に、新時代のデザインとして世界的に流行した様式ではあるが、この時代の誰かを挙げるなら、アール・ヌーヴォー、アール・デコの両時代を通して活躍した、ルネ・ラリックが常に私の頭の中にはあった。
同時代にカルティエ一族を支えたデザイナーがいた事は、恥ずかしながらこの展示を拝観するまで知らなかった。
この時代の、一種独特の美的価値観にはいつも驚かされる。約80年も前のデザイン画や宝飾品ではあるが、なお新鮮なのだ。
桁外れのゴージャスさに目を奪われたのは、インドのマハラジャの宝冠(カルティエによるデザイン)であった。残念ながら(当然かもしれないが)デザイン画のみの展示であったが、異様なまでの存在感と、西洋とはまた違ったデザインの魅力に、夏にインドを訪れる予定にしている私には想像をかき立てられるものがあった。
展示について贅沢を言えば、一般市民の声としては、デザイン画よりも宝飾品そのものをもっとたくさん拝見したかった。老若女、皆同じように瞳を輝かせてガラスケースを食い入るようにみつめる姿(私も同じであるが)は、なかなかどうして、やはり女性は光りもんが好きなのだなぁ・・・と妙に納得してしまうのであった。。。