バリでもお世話になりました、世界的なキルト作家・染織家の秦泉寺由子さん。
彼女の比叡平にあるギャラリーにて、ガラス作家・荒川尚也さんの展示会をするとのことで、「お炭をしにきてー」とお声がかかりお邪魔してきました。
彼女のギャラリーには、○○風だとか、○○スタイルという決まり切った形とは全く無縁の、彼女の世界そのものがあります。
「人間、本来の自己を生きれば、みんな一人一人違って当たり前なのだから、誰も同じようなスタイルにはならぬはずだな・・・」と思い起こさせてくれる彼女だけの世界が広がっています。
お茶室も彼女のデザインで作られたものがありますので、「まぁおそらくお茶会でもするのかな?!」と、よくわからないままにお邪魔しましたら、このようなお席が。
炭も、「何流もなく適当で良い」とのことでしたが、ご用意いただいていた炭をのこぎりで切り(お茶で使う炭は、綺麗に切って売っている物もありますが、自分で切って洗って使うものもあるのです)、できる限り忠実に組んでおきました(枝炭無しスタイルですが)。
「○○風や、○○スタイル」に凝り固まる事はどうかと思う私ですが、やはり先人たちが長年かかって作り上げた型というものはどうしたって尊いもの。無駄なく美しく、順番に炭に火がついていこってゆき、釜の水がよく煮えるように考え抜かれているからです。
釜を据えれば見えないのですが、そういう問題でもありません。見えない所は掃除しなくて良いわけではないのと同じです。
“気”はごまかせないものです。
展覧会は4月5日(日)まで。写真で見ていただいても恐らくこの空間の素晴らしさは充分に伝わりません。
是非お運びいただき、感じてみてください。