坐禅と朝バッハ  於:妙心寺金牛院

150501-1.jpgお声かけいただき、出勤前にちょっとユニークな早朝坐禅会に参加して参りました。

「朝バッハ」付きというのが、普通の坐禅会にはない試みです。しかしそもそも、朝バッハってなに?坐禅の後にコンサートでもあるのでしょうか。それとも、流行の兆しが見えるドイツ菓子かなにかの名称?

と、いろいろ考えましたが正解は「朝、バッハの楽曲を演奏(練習)すること」。なんと坐禅中、同じ空間でプロの音楽家による生演奏が行なわれるというのです。

というわけで、一しゅ目はご住職の指導のもと通常の坐禅を行ない、二しゅ目、斎藤孝太郎さんの朝バッハ=「無伴奏チェロ組曲」が流れる中で坐らせていただきました。

坐禅中ですから、聴かせるための音楽ではないはず。それでもつい、意識が心地よいチェロの調べに向いてしまう自分に苦笑でしたが、静かに坐る場で音楽が邪魔だったかというと、決してそうは思いませんでした。以下、坐禅を終えて自分なりの気付きです。

坐禅と楽器演奏は一見まったく異なるもののようですが、自己と向き合うという点で共通していますね。呼吸が大切で、修練に終わりがないことも同じ。心を整える必要性も似ている気がします。「坐禅」と「朝バッハ」、互いに別のことをしながらも自分と向き合う時間を共有していたのかと思うと、帰り道は清々しさもひとしおでした。

私自身、弦楽器の演奏が趣味なのですが、坐禅レベルの緊張感で弾く機会は先生の前に出たときくらい。随分もったいないことをしてきました。今夜の練習は、今朝の張り詰めた空気を思い出してグッと集中したいと思います。

150502-2.jpg坐禅後の茶礼で配られたのは、円相に見立てたドーナツ