草木花に半ば埋れる日本の暮らしのなかから、
生まれるともなく生まれ、
教えられるともなく教えられた、
「偉大なる素人の花」です。 川瀬敏郎
「偉大なる素人の花」。なんと素敵な響きでしょう。
この度、知人友人の編集者&カメラマンペアが京都じゅうを駆け巡り、花の瞬間、いのちの輝きをとらえた花の本『京都日常花 市井のいけばな十二ヶ月』が上梓されました。
表紙は親しくさせていただいているご夫妻のお宅。もちろん自ら生けられた花が・・・。ため息の出る素晴らしさ。お二人の素敵なくらしぶりやあらゆる事におけるセンスの良さからも、納得すべき採用である!と嬉々としております。
寺院、旅館、骨董屋、飲食店、個人宅など、京都のありとあらゆる場所を対象とし、主にそこで日々飾られる花が紹介されています。
花を生けた人の名前は載っていませんが、友人知人のお店やお宅などが多く掲載されている為、あそこの花はあの人が、ここの花はあの人が・・・と、顔を想い浮かべつつ、その人らしい花の様子を楽しんでいます。
場所の空気、全体のしつらえ、使う花器に花材、花台、床の軸。1ページごとに、穴のあくほどに眺めては学ばせていただいております。これほどに色々な意味で多種多様の花を掲載した本が今までにあったでしょうか。
是非皆さまにもご覧いただきたい一冊です。