近頃の子供達の遊びは、うちの中でのことが多く、あまり外で遊んだり、友達の家を訪ねたりということが少なくなっているようで、私たちが子供の頃には当たり前に知っていた他の集落のことを全く知らないのです。
前にもこのブログで書いたこともあろうかと思いますが、自坊のある小学校学区では、12年前から毎年秋になると、「ふるさと地域ウォーク」という行事をPTAやボランティアの方が中心になって続けていただいています。
実行形態は少しずつ変化してきていますが、同じ学区内なのに知らないとこを訪ねていこうとするもので、何パターンかのコースに分かれて歩きます。
自坊を訪ねてくるコースは、まず、近くにある日本電気硝子(株)の大きな工場の見学をして、神社でお弁当を食べた後、自坊での坐禅会にやってくるというものです。
子供達の興味は工場見学にあるのは明白ですが(笑)、せっかくうちの寺を訪ねてくれるのだからと、こちらも朝から内外掃除をしてお昼過ぎに出迎えたのでした。
子供の数より保護者とスタッフである大人の方が多いので、何を話すかとか、話し方にも苦労しますが、ともかく坐禅の組み方の基本を教え、数息観という自分の呼吸を数えることに集中する方法を伝えます。
初めての人がほとんどなので、一回の坐禅は10~15分という短いことになりますが、警策も受けてみたければどうぞといっておいたら、小さな男の子が自ら合掌して警策を受けてくれました。
最後に、去年から始めたのですが、地蔵盆の時にかけている「地獄図絵」を見せることにしています。
地獄絵に描かれていることを説明すると、近頃のゲームなどではもっと酷いビジュアルに慣れているだろうとは思いますが、子供達も大人も興味津々でかぶりついて観てくれます。
1時間程度の短い時間ですが、こうして、自分たちの街にはこういう工場がある、お寺がある、人がいるなど知られることはとてもいい事業だと思っています。