わが師の斎会

私が静岡県三島市にある龍澤僧堂に掛搭して、雲水のはしくれになって直後、龍澤僧堂で隠棲されていた中川宋渕老師が遷化されました。そして私が参じた鈴木宗忠老師も、5年ほどして遷化されてしまいました。それから早や四半世紀以上が経ち、先日、宋渕老師の33回忌、ならびに宗忠老師の27回忌が、開山白隠禅師の毎歳忌にあわせて勤修されたので、私も末席を汚しに参ってきました。

20151113-1.jpg中央・白隠禅師、向かって右・中川宋渕老師、向かって左・鈴木宗忠老師の各頂相

宗忠老師のあとを嗣がれた中川球童老師も既に遷化され、今は後藤栄山老師が雲水をご指導いただいています。宋渕老師のもとで修行した方達から数えると、すでに四人の老師方の会下が一同に会しての法要です。
同じ釜の飯をいただいたものは、世代が異なっても、一種独特の連帯感があるように思うのは、どこの僧堂でも同じでしょう。

20151113-2.jpg雲水が少ないので、禅堂はがらんどうのようですが、自分が寝起きした場所はやはり懐かしさで一杯です。

禅寺では、こういった年忌法要の前夜に行なわれる宿忌(しゅくき)と、当日行なわれる半斎(はんさい)をあわせて斎会(さいえ)といいます。お昼ご飯を斎座(さいざ)といいますが、粥座(朝ご飯)と斎座との中頃に行なわれるから半斎と呼ばれるのです。

したがって、半斎の後には供養のためのお斎(とき)があるのは当たり前。亡き老師方の思い出話に花が咲きました。

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