光悦というと、学生時代、そしてお茶を始めた若かりし頃にはまりにはまって、展覧会を見て歩きまわったり、それが叶わぬものは、図録に掲載された茶碗を眺めては、まるで何の囚われもないかのようなその造形が見せる印象に、焦がれに焦がれた記憶があります。
もちろん茶碗にとどまらず、特に俵屋宗達の画とのコラボは一度観た者の心を決して離さず、寛永の三筆の一人とされるのも当然の、ダイナミックさと繊細さを併せ持ち、流れるように美しい筆跡とそこでも垣間見られる、やはりとらわれのないような境地に心ときめいたものでした。
かの徳川家康が、あまりにも才知溢れる光悦を危険視して、鷹峯に封じたという説もあるのがうなずけます。
そんな光悦の、私もまだ実際にも、図録でも拝見したことのなかったお茶碗が並び、また、楽家歴代の逸品はもちろんのこと(私の大好きな左入さんの器も多く出展されていました)、光悦に多大なる影響を受けた方(陶芸家のみならず、作陶を趣味とした実業家など)たちの茶碗がならぶ、とても興味深い展観でした。12月23日(祝)までの開催です。
*楽美術館へゆかれましたら、是非お手洗いへもお立ち寄りください。階段途中などに生けられている花がとても素敵で毎回楽しみなのです。