去る5月13日、滋賀県は東近江市にある臨済宗の大本山、永源寺を訪れた。
毎年、開山様の誕生日に近い日曜日に献茶式が行われ、表千家・裏千家・遠州流・煎茶道泰山流のお席と、法堂で番茶席が設けられる。
今年は天候にも恵まれ、参会者は新緑鮮やかな中、それぞれ工夫こらされた茶席を楽しんだ。
永源寺のご開山、寂室元光禅師は、後光厳天皇からの再三にわたる京都天龍寺への出世を断り続け、弟子と共にこの山中にあったと聞く。
禅師はじめ、当時の修行僧も、新緑の季節にはこの美しい山々を愛でたのか・・・と感慨にひたりつつ、そのような有難い地で、様々な流派の人達が一堂に会し茶席が持たれる事に感謝しつつ、一席一席楽しませていただいた。
来年も、5月中旬の日曜日に予定されているそうだ。
是非、おでかけいただきたい。
山門も緑におおわれ・・・
総門。寺内で最も古い建造物。1464年に建てられた。
雲水てづくりの枯山水。
本堂。こちらで表千家久田宗匠によるお献茶が行われた。
法堂。後水尾天皇ご寄進の釈迦、迦葉、阿難の三尊像が安置されている。こちらではお番茶席が設けられていた。
煎茶道泰山流によるお席。趣向がこらされており、部屋のもみじ、外の庭からは借景の庭園で緑の世界にいるよう。
泰山流のお席からのぞむ借景の庭。この地ならではの風景。皆、ため息をもらすほどの新緑の美しさであった。
こちらのお席では、表千家の釜が懸けられていた。ガラス窓から望む山の風景がえもいわれぬ清々しさ。