BUDDHA KUSA GRASS TEMPLE ―インド・ブッダガヤ―

160204-1.jpgブッダガヤを訪れた際、だいたいのお釈迦様ゆかりの場所はもちろん伝記などを読んで存じている場所で、「ふむふむ、ここにほんとうにお釈迦様がおられたのだなぁ…」と感激しつつ巡っていました。

スジャータ村からの帰り、運転手が、「KUSAテンプルにはゆくか?」と……。何の事かと思いましたがとりあえず訪ねてみますと、「BUDDHA KUSA GRASS TEMPLE」が。

看板によると、一人のバラモン(階級の男)が現われ、お釈迦様に8束の草を献上した場所なのだとか。その草を敷いて坐禅を組まれ、その後お釈迦様は悟られた……と書かれていました。

ただ、この場所から、お釈迦様が悟りを得られた菩提樹(現在のマハーボディー寺院)までは、尼連禅河を越えて、随分距離があるように思われますので、「え、草をお持ちになって歩いてゆかれたの?それとも誰かが運んだ?」などと疑問は残るのですが、それはまぁ置いておいて……(詳しくご存知の方いらっしゃいましたら、是非おしえてくださいませ)。

160204-2.jpgさてこのKUSAですが、「お釈迦様は良い香りのする草を坐禅に使用された」などと書かれているのを帰国後に読んだ事もあり、とても興味深く、どのような物なのだろう?!と気になり始め、ネットで調べてみましたが、それではわかりませんでした。

そこで、ブッダガヤで貧困地域(ブッダガヤのあるビハール州はインドでも最貧地域です)に生きる女性たちを支援する仕事(インドの素敵な布を使ったちくちく仕事です、是非ご覧ください*nimai-nitai)をしている友人に調べてもらいましたところ、下記のような返事と写真が!

 

「kusaは、ビハールのこの地域の人が呼ぶ草の名前で、kasilというのが
一般的な?名前だそうで、インドではだいたいどの地域にもはえているものだそうです。

わたしもこの草はグジャラートでも草原にたくさんはえてるのみましたよ。
ビハールはそこらじゅうにあります。とくに匂いはないので、匂いのためではないとおもいます。

亡くなった人を火葬するときと、亡くなったあとの10日後にpujaをするときに使われるそうです。
pujaのときにもつかわれることと、とてもかたい草なので、瞑想の修行のときには
あっていたのかも…と勝手に想像しました」。

*pujaとは、神への礼拝、神に供物を捧げる儀式、お祈りなど全般を指す言葉で、日本の護摩炊きの起源ともいわれています。
*ちなみに、友人はその後も色んな人にkusaについてを尋ねてくれていますが、この草だと言う人もいれば、違う草だと言う人もいるそうです。インドで質問をするとそういう事もままあります…。

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なるほど…。
インドではどこにでも宗教・信仰が溢れていますから、それに使う草は、どこにでも無いといけないのかもしれません。

私が愛読しているインドの聖典『バガヴァット・ギーター』にも、「クシャ草を敷いて瞑想をしなさい」とありました。

今度インドへ趣き、クシャ草をみつけたら、刈ってみて、クッションにして坐ってみたいものです(かたい草だと友人が言っていましたので、干してから使うのかも知れませんが……)。
とりとめもない、個人的な興味の話になってしまいましたが、お付合い有難うございました。
もしもkusa草について何かご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご教授くださいませ。