『如々来 止止庵、梶谷宗忍禅師の足跡』

相国僧堂に通う居士であった、大学時代のゼミの教授宅へ。

学生時代には、その当時のお話などはほとんど拝聴する機会も無く(キリスト教系の学校でした)、巡り巡って、不思議な御縁で私が禅文化研究所に勤めるようになってから、梶谷宗忍老師(相国寺派第6代管長)のお話、僧堂での出来事などを話してくださるようになりました。

「老師の前へゆくと、全てを見透かされているようで、もはや何も話せず、ただただお天気の話や雑談くらいしかできませんでした」。

とはいえ、そんな若かりし頃の一時期が、今の先生を先生たらしめているのだな……とも思うのです。
話はできずとも(ほんとうは色々となさっていたのかもしれませんが)、老師から受け取られたものを、確かに私に伝えてくださっています。

160222-1.jpg卒業後も毎月のようにゼミを開催させていただき、何度もお宅にお邪魔しているのに、先日初めて、『如々来 止止庵、梶谷宗忍禅師の足跡』という、老師のご生涯を描いたビデオを見せてくださいました。
縁側でお茶を点てる老師と、それをいただこうとされている若かりし頃の我が師。嬉しくてテレビ画面を写真に写してしまいました…。

160222-2.jpg一般企業に勤めていた私が、「会社をやめて、先生のお若い頃のように、京都でお坊さんのところへ通ったりお話したりするような生活がしたい」と相談したのを、一番に応援してくれたおかげで、今の私があります。
大学卒業後に、まさか禅の話や僧堂の話をしようとは、師も私も、想像だにしなかった事です。

時代を感じさせる映像を拝見しながら、改めて御縁の不思議、妙を感じるのでした。