托鉢雲水へのお布施の仕方

おはようございます。

僧堂が近くにありますと、およそ決まった日に雲水さんの托鉢姿を見る事があろうかと思います。
お布施をしてみたくても、なんとなく作法もわからぬのでいつも見送るのみ…という方もいらっしゃるかと。
以前にも一度ご案内させていただいたのですが、再度皆さまにお伝えをと思いました。

私の家の前では、報恩大摂心の終わった翌日に、大徳僧堂の雲水さんが托鉢をされていました。
「あぁ、摂心が終わったけれど、僧堂へ帰ってもまた修行が日常なのだなぁ…」と、当たり前の事ですが感慨深く、お布施をさせていただき、お姿お見送りしました。

160328-3.jpg遠諱報恩摂心 托鉢_撮影・研究所職員

さて、意外に京都に生まれ育った人でも知らないのが、雲水さんの出す掛け声。実は、「ほーーーーーぅ(法)」と言っています。そして、京都に住まう多くの方が、小さな子が言う事を聞かない時は、「おーのおっちゃん来るよ」と、まるでなまはげのような扱いをしている事もリサーチ済みです。

正直、雲水さん達は比較的若い方が多く、おっちゃんではないと私個人的には思うのですが……。あの低く腹から出す大きな声が、なまはげや、おっちゃんを連想させるのでしょうか。

そんな事はさておき、托鉢をする雲水さんにお布施をさせていただきたいけれど、方法がわからないのでいつも見送ってしまう……という方の為に、お布施の方法をご紹介です。

1.托鉢の雲水さんの声が聞こえたら、お布施を用意し、合掌しつつ、近寄ってこられるのを待つ。
2.雲水さんが気付いて、自分の前に立たれたら、互いに合掌一礼。
3.雲水さんが首から下げている看板袋の前垂れ(袋の蓋のようになっていて僧堂名が白く書かれている部分)を自分の前に出してくださったら、その上にお布施を置く。
4.雲水さんが前垂れに置かれたお布施を、滑らせるように袋の中にしまえば、また互いに合掌一礼。

無言のうちにこれらの事を終えます。

勘違いしてはならないのが、布施というのは、してあげているのではなく、「させていただいている」「功徳を積ませていただいている」という事。我々(在家の者)が、財施をさせていただいているのです。そしていつか雲水さんは和尚になって法を説かれ、法施となって私たちに戻ってくることでしょう。
六波羅蜜の一つ。
互いに合掌し一礼させていただく朝、なんともありがたく、清々しい気持ちになるものですよ。

160328-2.jpg遠諱報恩摂心 托鉢_撮影・野口さとこ