7月25日に発刊予定の季刊『禅文化』241号の特集(毎号、テーマを決めて特集を設けております)は、「禅と能」。まさに切っても切り離せない両者に焦点を当てたいと思っております。
編集会議において、「やはりこれは、管長・老師といったお立場の方と、能楽師の方の対談記事を目玉としたい……」と考えました。
そもそも、足利義満公の庇護により、観阿弥・世阿弥によって花開き大成された能の世界。
まずは金閣寺のご住職も兼任されている相国寺派管長・有馬賴底老師にご相談したところ、
「それなら是非とも観世宗家・観世清和氏との対談を」。
との願ってもいない鶴の一声で、昨日3月30日、お二方ともご多忙ながらお時間いただく事叶い、相国寺東京別院での対談が実現致しました。
聞き手は、能楽に造詣深く、管長や宗家とも親交がおありで、この度明治大学学長となられる土屋恵一郎先生。こちらがお尋ねしたい事を何ともスマートに、ご自身のご意見も交えながらの進行、非常に学ばせていただきました。
法や伝統文化の継承、後継者育成について、日々の修行・稽古について、心身の整え方・呼吸について……などなど、内容は盛りだくさんで、改めて驚くほどの共通点が出て参りまして、拝聴しながらかなり興奮してしまいました。
私事で恐縮ですが、20代前半から、禅と能に強く惹かれて参りました。
それぞれの魅力というものはもちろんあってのことですが、感覚的にこの2つを同じと見て惹かれていた理由というのは少しぼんやりしていて、自分の中でもはっきりとした答えが見いだせなかったのですが、今回またとない対談を拝聴する機会を得て、腹にすとんと落ちるものがあり、「そうだったのか!」と、眼から鱗でした。
こちらで詳しい内容はお伝えできませんが、是非とも季刊『禅文化』241号発刊のおりには、お手に取ってご覧いただけたらと願っております。
発刊はまたこちらでもご案内させていただきます。
何卒宜しくお願い申し上げます。
参考記事
ワザとこころ 能の伝承 -京都観世会館-