天龍寺の曹源池庭園といえば、開山夢窓国師作庭で有名です。
お仕事で、プライベートで、よくお邪魔して拝見しますが、毎度気づきがあるものです。
天龍寺の塔頭でお生まれになり、ほぼ毎日この庭園を観ている齢70を過ぎた和尚さんが、「この庭ほど素晴らしい庭は無いんやで」と毎度仰る事がそれを物語っています。
今回はことに山に咲く山桜や白木蓮が印象的だったせいか、借景の素晴らしさが身にしみ、作庭をされた夢窓国師のスケールの大きさがこちらに流れ込んでくるようでした。
歴代天皇より、7度にわたり国師号を賜与され、七朝帝師とも称された国の師というべき御方。それは魅力的な人物であったろう……と一人想像してうっとりとしてしまいます。
早朝より3時間弱お邪魔しておりましたが、太陽の光によって、庭の表情は刻々と変化し、いっときも同じ時は無いのです。
是非、お時間に余裕をもってご参拝願いたいものです。
さて、参拝者の皆様はこの素晴らしすぎる曹源池庭園に満足し、そのまま引き返してしまう方が多いのもごもっともですが、実はこの奥に多宝殿、百花苑があり、多くの見事なしだれ桜に茶花などが楽しめます。
遠く比叡山まで見渡せる山の上からの景色。えもいわれぬ日本の美しい春です。