季刊「禅文化」240号発刊のお知らせ

新年度が始まり、弊所が所在する花園大学の学内もまた賑やかです。季刊「禅文化」も、最新号が発刊されましたのでお知らせいたします。

今回の特集は「東京・麟祥院とゆかりの人々」。明治から昭和にかけて名だたる文豪が居を構えた東京・湯島にある、麟祥院にスポットを充てました。

麟祥院は、春日局が幕府報恩のために建立し、名僧たちを排出してきた由緒あるお寺。ところが、先の戦争で空襲を逃れた文化財はながらく調査されないままでした。このたび、禅文化研究所デジタルアーカイブス事業の一環として花園大学歴史博物館とともに悉皆調査を行ない、現在はその成果として同館で特別展「湯島麟祥院 春日局と峨山慈棹(がさんじとう)」を開催中。本誌もリンクする形で特集を組ませていただきました。

*調査・展覧会等詳細

新連載もございまして、「昭和に新しく造られ、ビジネスパーソンに爆発的に広まったと思われる禅語」について、その起源を探る内容(加藤一寧先生「新造の禅語(一)」)。禅にご興味をお持ちのビジネスマンの皆さまに是非!今回より四回連載です。

最後に。
もし、いま人生に少し苦戦していらっしゃる方が本日のブログを見てくださっているとしたら……。恵林寺(山梨県)の古川周賢老師による連載「禅の見方、考え方(四)」を、心からお薦めいたします。きっと、光が差すと思います。

どうぞ宜しくお願いいたします。

k240.jpg*もくじ*

-特集 東京・麟祥院とゆかりの人々-
「からたち寺」逸聞/矢野宗欽
湯島麟祥院の歴史/竹貫元勝
笶髦€ グラビア 湯島・麟祥院の霊宝
グラビア作品解説/花園大学歴史博物館

禅の見方、考え方 (四)/古川周賢
新造の禅語 「即今・当処・自己」は禅語なのか(一)/加藤一寧
沢庵禅師と泉南の新川盛政 ―卜半椿その後―/湯谷祐三
堪え難きを堪え ―戦後を禅僧として生きて―/寶積玄承
善財童子の求道ものがたり (三十七)
―菩薩道五十三次 マガダ国ブッダガヤの菩提道場 吉田の宿駅―/小林圓照
禅宗語録入門読本 26 雲巌と洞山 (下)/小川隆
最後の光芒 (中)要説・中国禅思想史45/伊吹敦
部分から全体へ 寺院建築入門 (九)/佐々木日嘉里
病いはそのまま法の声 ―「からだ様」は神様です
第二回 初夏のヤル気回復祈念/樺島勝徳
三余居窓話 (余滴・十)―ある新年の集まりにて―/西村惠信
禅における心身について (十二)ブッダ本来の言葉と禅 (七)/佐々木奘堂
蘇った鎌倉時代の彫像 ―建長寺開山・蘭渓道隆禅師坐像大修復―/川辺紀子
睡猫庵歌話 (十二) 「平成父母恩重経」―大松達知『ゆりかごのうた』―/大下一真
笶鮪將・ウんのリレー・エッセイ笶磨@変わりゆくお寺/亀山泰子

表紙解説/東野鈴奈
いっぷく拝見
編集後記《すずろごと》
『禅文化』バックナンバー
禅文化研究所の本
カット(切り絵)/田中道男