神戸市立博物館で展観されているボストン美術館所蔵「俺たちの国芳わたしの国貞」展を観て参りました。
歌川国芳と歌川国貞などの浮世絵師によって描かれた浮世絵は、江戸から明治期に、その美しさ、奇抜さに惹かれた医者のウィリアム・ビゲロー(1850-1926)たちによってその多くが海外に持ち出され、今はボストン美術館に多数所蔵されています。100年ほどたって、最近ようやく14000枚もの浮世絵のアーカイブが整理されたとのことで、その中から厳選されたものとはいえ、この二人の浮世絵がこれほど多く一同に公開されるのは初めてとのことでした。
水滸伝の登場人物で、「花和尚」と呼ばれカラクリモンモンで有名な魯智深から始まる、水滸伝の登場人物を日本の歌舞伎役者に当てはめて描かれていたり、当時の花形役者を並べて描いたり、ホラー的な絵があったり、歌舞伎の楽屋裏を描いたりと、広範囲でユニーク。書かれている文字も漫画的であったり、非常に楽しむことができました。
そして、驚くことに、7月末までの期間限定ではありますが、場内をこのようにスマホなどで撮影することが許可されていて、それをどんどんSNSにアップして欲しいとのこと。それぞれの絵には丁寧なキャプションがありましたが、その他に、絵の上部には一行のコメントが付されていて、それがまた若者ウケしそうな内容。「花形役者」の横には「アイドル」とルビがあったり、この展覧会に若者達を呼び寄せ、浮世絵に興味を持って貰おうという主旨がはっきり見て取れました。
それから、猫好きだった国芳ならではの猫満載の絵も。可愛い猫や化け猫があちこちで登場します。
猫だらけでしょう?
会期は8/28まで。夏休みに入ると混み合うかも知れませんが、いまのところは、ゆっくり観ることができました。暑い夏です。お近くにおいでの際は、涼みがてらいかがでしょうか。