2016 サンガセミナー第4回 「禅の庭講座 ―江戸時代初期の宮廷文化と禅の庭」

 

_AC_9089.jpg先週、今年度のサンガセミナー第4回となる「禅の庭講座 ―江戸時代初期の宮廷文化と禅の庭」を開催しました。講師はこの講座で毎年お願いしている京都造形芸術大学の町田香先生。
今回は、京都に遺る宮廷の庭としては珍しい、南禅寺禅センターでもある光雲寺様と、同じく南禅寺派の尼門跡である霊鑑寺様を訪ねました。

_AC_9091.jpg

午後、光雲寺様で集合し、まずは住職である田中寛洲老師から光雲寺に遺る寺宝のご説明をいただきました。名だたるお公家様たちのお位牌や、台座に菊御紋と三つ葉葵紋の両方がある觀音菩薩像など、お公家様たちとご縁が深いお寺ならではの寺宝の数々でした。

_AC_9117.jpgその後、町田先生による約1時間の座学。御苑や離宮の庭を中心とした宮廷の庭園について詳しくご説明いただき、その中で禅寺にも遺る宮廷文化の庭として、この光雲寺と霊鑑寺の庭を実際に見ながらご説明をいただきました。

_AC_9131.jpg光雲寺は江戸期に諸堂が大きく荒れたため、庭も開創当時のものではなく、昭和になって小川治兵衛によって作庭されたものではありますが、寛政11年の『都林泉名勝図絵』に描かれている庭とよく似ていることが窺われました。

そのあと、光雲寺から哲学の道を北へ歩いて10分ほどのところにある霊鑑寺へ移動。こちらも光雲寺と同じく、通常は公開されていない寺院ですが、椿の時期、紅葉の時期には特別拝観をされているので、訪ねられた方もおられるかもしれませんね。

_AC_9135.jpgむした苔や、モミジが色づきかけている庭を観ていると、それまで晴れていた空から小雨が降り出してきました。おかげで少し苔が色を濃くしたようでした。

今年も11月になると霊鑑寺の特別拝観(京都市観光協会主催)もあるそうです。お出かけになってみては如何でしょうか。

次回のサンガセミナー第5回「掛け軸の扱い方講座」と「水墨画講座-秋を描く」へもご参加募集中です。