去る11月7日、雲一つない晴天の下、永源寺派大本山瑞石山永源寺(滋賀県東近江市)にて正燈国師650年遠諱法要が厳かに執り行われた。
建長寺派、建仁寺派、大徳寺派、円覚寺派の管長をはじめ、僧堂師家や諸尊宿が大勢参列され、また檀信徒や一般来賓で大方丈は張り出し桟敷も含め参列者で埋め尽くされた。
我々禅文化研究所職員とも親しみの深い永源寺派管長道前慈明老師が導師を勤められ、厳かに展供十八拝式が行なわれた。その後、楞厳呪が唱えられ、約一時間半の儀式となった。
永源寺の開山正燈国師寂室元光禅師は美作の産、約翁徳倹の法を嗣ぎ、入元して中峰明本に参じた。
本山の直下を流れる音無川の渓谷のように清冽なその禅風は、後世、多くの人々に慕われた。
禅文化研究所としては今回、記念出版『訓註 永源寂室和尚語録』編纂のお手伝いを許されたことは光栄であった。
また『禅文化』誌242号では寂室禅師に関する特集を組み、管長の道前老師を始め多くの方々から玉稿を賜わった。
禅師を偲ぶきっかけとなれば幸いである。