伊勢神宮の朝

伊勢神宮の鳥居
朝のお伊勢さんの空気は格別だ・・・とのお誘いを受けて、久々にお伊勢参りへとでかけた。
参道に立ち並ぶ店の軒には、燕の巣だらけ。まだ観光客も訪れていない朝、親燕達がせわしなく餌を求め飛び交う。
天照大神をお祀りする内宮への道は、朝8時半頃という事もあってまださほど人も多くない。
と、少し脇にそれた道になんとも私達を引きつける立派な杉の大木が。あちらの道を歩こうと、ほとんど人気の無い道を行くと、お参りを終わられた初老の紳士が前から・・・。ひと目見るだけで、「この方は毎日か毎週か、必ず定期的にお参りされている方だな」とわかる清らかな雰囲気。歩き方、姿勢にその方の心が現われていた。

内宮神楽殿

すれ違う時にあちらから「おはようございます」とお声をかけていただき、嬉しくご挨拶させていただく。
すると、「この道を歩かれているだなんて、よくお参りに来られるんですか?ここは観光客の方は通らない道なんですが、とても気持ち良くて私はいつもこちらを歩きます」と・・・。
さらに、お参り後に通ると良いというオススメの道も教えていただいた。
人は見かけだけでは判断できない、してはいけない・・・とは思っているものの、やはりその人の生き方、心持ち、信仰心などは外見に現われてはっきりと出てくるものだなと感じた朝であった。
さて、次回の式年遷宮は平成25年だそうな。20年ごとのこの大事業を、持統天皇の時代から1300年にわたって続けて来たとは・・・。日本における禅宗の歴史は、栄西禅師が禅を日本に伝えたのを最初とするのであれば、約800年ほど。日本人が仏壇を持ちながらも八百万の神を捨てず、神棚も大切に祀って来た根本がここにあるような気がした。

宇治橋